陸上出荷設備でフルハーネス型安全帯を使用する場合の特別教育の要否 :
規則第三十六条四十一号で “高さが二メートル以上の箇所であつて作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止用器具(令第十三条第三項第二十八号の墜落制止用器具をいう。第百三十条の五第一項において同じ。)のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に係る業務”では、特別教育が必要となります。
ローリーの積込み作業で、ローリー上は2m以上なので、この場所が“作業床”であるかどうかが、判断の基準になります。
作業床は、規則第五百六十三条で規定され、ローリー上には、第1項三号ロの“ わく組足場以外の足場 手すり等及び中桟等” がありませんが、第3項によりフルハーネス型安全帯を使用する場合には、第1項三号ロは適用されません。従ってフルハーネス型安全帯を使用する積込作業では、ローリーの上は、“作業床”と解釈され、この場合は、特別教育は不要となる解釈もできるように思われます。
労働安全衛生規則
(特別教育を必要とする業務)第三十六条 法第五十九条第三項の厚生労働省令で定める危険又は有害な業務は、次のとおりとする。 (中略) 四十一 高さが二メートル以上の箇所であつて作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止 用器具(令第十三条第三項第二十八号の墜落制止用器具をいう。第百三十条の五第一項において同じ。) のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に係る業務(前号に掲げる業務を除く。)(作業床)) 第五百六十三条 事業者は、足場(一側足場を除く。第三号において同じ。)における高さ二メートル 以上の作業場所には、次に定めるところにより、作業床を設けなければならない。 一 床材は、支点間隔及び作業時の荷重に応じて計算した曲げ応力の値が、次の表の上欄に掲げる木材 の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる許容曲げ応力の値を超えないこと。(表) 二 つり足場の場合を除き、幅、床材間の隙間及び床材と建地との隙間は、次に定めるところによるこ と。 イ 幅は、四十センチメートル以上とすること。 ロ 床材間の隙間は、三センチメートル以下とすること。 ハ 床材と建地との隙間は、十二センチメートル未満とすること。 三 墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある箇所には、次に掲げる足場の種類に応じて、それぞ れ次に掲げる設備(丈夫な構造の設備であつて、たわみが生ずるおそれがなく、かつ、著しい損傷、 変形又は腐食がないものに限る。以下「足場用墜落防止設備」という。)を設けること。 イ わく組足場(妻面に係る部分を除く。ロにおいて同じ。) 次のいずれかの設備 (1) 交さ筋かい及び高さ十五センチメートル以上四十センチメートル以下の桟若しくは高さ十五セ ンチメートル以上の幅木又はこれらと同等以上の機能を有する設備 (2) 手すりわく ロ わく組足場以外の足場 手すり等及び中桟等 四 腕木、布、はり、脚立(きゃたつ)その他作業床の支持物は、これにかかる荷重によつて破壊するお それのないものを使用すること。 五 つり足場の場合を除き、床材は、転位し、又は脱落しないように二以上の支持物に取り付けること。 六 作業のため物体が落下することにより、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、高さ十センチ メートル以上の幅木、メッシュシート若しくは防網又はこれらと同等以上の機能を有する設備(以下 「幅木等」という。)を設けること。ただし、第三号の規定に基づき設けた設備が幅木等と同等以上 の機能を有する場合又は作業の性質上幅木等を設けることが著しく困難な場合若しくは作業の必要上 臨時に幅木等を取り外す場合において、立入区域を設定したときは、この限りでない。 2 前項第二号ハの規定は、次の各号のいずれかに該当する場合であつて、床材と建地との隙間が十二セ ンチメートル以上の箇所に防網を張る等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じたときは、 適用しない。 一 はり間方向における建地と床材の両端との隙間の和が二十四センチメートル未満の場合 二 はり間方向における建地と床材の両端との隙間の和を二十四センチメートル未満とすることが作業 の性質上困難な場合 3 第一項第三号の規定は、作業の性質上足場用墜落防止設備を設けることが著しく困難な場合又は作業 の必要上臨時に足場用墜落防止設備を取り外す場合において、次の措置を講じたときは、適用しない。 一 要求性能墜落制止用器具を安全に取り付けるための設備等を設け、かつ、労働者に要求性能墜落制 止用器具を使用させる措置又はこれと同等以上の効果を有する措置を講ずること。 二 前号の措置を講ずる箇所には、関係労働者以外の労働者を立ち入らせないこと。 4 第一項第五号の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。 一 幅が二十センチメートル以上、厚さが三・五センチメートル以上、長さが三・六メートル以上の板 を床材として用い、これを作業に応じて移動させる場合で、次の措置を講ずるとき。 イ 足場板は、三以上の支持物に掛け渡すこと。 ロ 足場板の支点からの突出部の長さは、十センチメートル以上とし、かつ、労働者が当該突出部に 足を掛けるおそれのない場合を除き、足場板の長さの十八分の一以下とすること。 ハ 足場板を長手方向に重ねるときは、支点の上で重ね、その重ねた部分の長さは、二十センチメー トル以上とすること。 二 幅が三十センチメートル以上、厚さが六センチメートル以上、長さが四メートル以上の板を床材と して用い、かつ、前号ロ及びハに定める措置を講ずるとき。 5 事業者は、第三項の規定により作業の必要上臨時に足場用墜落防止設備を取り外したときは、その必 要がなくなつた後、直ちに当該設備を原状に復さなければならない。 6 労働者は、第三項の場合において、要求性能墜落制止用器具の使用を命じられたときは、これを使用 しなければならない。
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