指を差して対象物を正しく認識しよう


指差呼称は正しいやり方で実行すれば、ヒューマンエラーを減らすことができます。
正しいやり方の指差呼称は、以下の4つのステップが実行されることが必要です。
@対象を見る
A対象を指で差し良く見て、対象項目を唱える
B腕を耳元まで振り上げ、本当に良いか考え確認する
C「ヨシ」と唱えながら腕を振り下ろす

陸運安全協力会のパトロールでは、Aの指差しのアクションがない との指摘が毎回あります。
実際に、@→B→Cの順番で指差呼称が行われる例が多くあります。

何故 Aを省略してはいけないのでしょうか。


@

A

B

C
対象を見る 指を差し 耳元へ 振り下ろす

対象をしっかり見る
右腕を伸ばし
・人差し指で対象を指差し
・呼称項目を『○○ 』と唱える
・右腕を耳元まで振り上げる
・本当に良いかを考え確かめる
・『ヨシ!』と唱えながら
・対象物に向かって腕を振り下ろす


 

人間の目は、漠然と見ているときには、いろんな情報が入ってくるが、この写真のようにとらえている。
細かい情報は、認識されない。 意識して焦点を当ててみなければ、結局頭に入らない。



一方、Aのように対象物を指さして見た場合には、対象が角度2度の視野に入り、対象物を限定して確実に認識・確認することができます。
指差し確認により、視点が対象物に限定されるので余計な情報が入って来ません。

ステップAが省略されたり、いい加減であれば、全体として指差呼称の信頼性は、著しく低下します。
指を差して対象物を確実に確認する習慣をつけましょう。


(本篇は、チャレンジ アンダー2000みえ 推進大会(令和元年7月2日)の中央労働災害防止協会 中部安全衛生サービスセンター 各務 安全管理士の講演を参考としました)